初任給を受け取るいま考える!令和時代の新社会人のお金の管理法

4月も下旬となり、今年の新入社員の方も研修が進んできたり、組織に配属されたりする頃でしょうか?
昨年、今年の新入社員の方は、コロナ禍の中で新社会人なるという事で、不安も多く本当に大変だと思います。
さて、そんな新入社員の方が、初任給を受け取れる時期になりました。
これから先、毎月受け取ることになる給与。自己責任でしっかりと管理していきたいところです。

一方、親御さんの立場からすると、これまで育ててきた子供が社会人になるという事で、家計の負担も減り、肩の荷が下りる面もあるでしょう。そんなお子様が初任給をもらい、感謝のプレゼントでも貰おうものなら感慨もひとしおですが、その後のお金の管理も気にかかるところかもしれません。

今の20代の親の世代が社会人になったばかりの頃と今とでは、経済情勢・社会情勢も全く異なります。
良かれと思ってアドバイスしたことも、今は全く役に立たないという事もあります。
今回はそのような令和時代の新入社員が考えておくべきお金の管理方法について考えていきたいと思います。

 

まずは社会人生活のお金の動きを把握する

さて、お金の管理方法ということで、まずは現状把握。お金の動きを把握することが大切です。

最初にまず収入。毎月の給与額面がどのくらいで、実際の手取りがどの程度なのかを確認します。
給与明細には事細かに明細が載っていますが、最初から内容をバッチリ理解しなくても良いかもしれません。
まずは給与額面と、天引きされる税金(住民税は翌年から)や社会保険料など、おおよその額を把握しておきたいところです。
これは4月の給与で判断するのでなく、会社にもよりますが、残業手当・交通費など、実際の勤務実態が反映されてくる6月か7月頃までの推移をみると良いと思います。

そして収入を確認したら次は支出。
4月~5月のうちは新生活に必要な物を購入したり、親に感謝のプレゼントをしたりして臨時出費も多いかも知れません。
こちらも臨時出費の落ち着く夏頃までの支出を確認しておくと良いと思います。
その際は、毎日使ったお金を事こまかに控える必要はありません。
気合いを入れて細かくチェックを始めると、途中でイヤになりチェックをしなくなってしまいます。
食費・光熱費・通信費などと、項目毎にざっくりと金額を確認していくと良いでしょう。

 

毎月の固定費は特に要チェック

出費のうち特に確認しておきたいのは固定費、つまり毎月定期的に出ていく費用です。
家族と同居であれば、家に一定額を入れるというケースもあるかもしれません。
一方、一人暮らしであれば、家賃や光熱費等も必要になります。
地方住まいの方で自家用車があれば、車の維持費もありますね。

また最近は、社会人になってから奨学金の返済が始まるという方も多い様です。
日本学生支援機構の調査によると、平成30年度の大学昼間部に通う学生の奨学金受給率は47.5%と、半数近くの学生が奨学金を受け取っています。
この返済も計画を立てて進めていかなければならず、その場合はお財布事情もかなり厳しくなります。

入社後しばらくしてある程度状況がつかめたら、できるだけ固定費の削減に取り掛かると良いでしょう。
固定費は毎月の出費となるため、少しの削減でも長期的に大きな負担減につながります。
まずはスマホのプランの点検などから始めると良いかもしれません。
一人暮らしの方は、光熱費や食費なども削減できる項目はないでしょうか?
また、最近はスマホなどから定額課金サービスを利用しているケースも多いです。
生活スタイルが変わって、やらなくなったゲームや、利用しなくなった施設の会員サービスなどもチェックすると良いでしょう。

 

自動的にお金をプールする仕組みを作る

ある程度の収支の状況がわかれば、毎月確実に貯金できる額を確保します。
この仕組みも、給与を受け取ってから別の口座に移すのではなく、自動的に引き去られる仕組みを作ることが大切です。

自動的に引き去る仕組みに活用できるのは、主に以下の方法があります。
・勤務先の財形貯蓄を利用する
・銀行の普通預金口座に積立預金口座を紐づけて、毎月一定額を移行させる
・インターネット証券口座を開設し、つみたてNISAを始める

財形貯蓄や積立預金は利息がほぼゼロか極めて低いですが、着実に貯金をするには良い方法です。
おおよそ5年以内にする大きな買い物や旅行費用を準備するのに向いています。

一方つみたてNISAは投資信託という商品を利用するもので、長期的に積み立てていくことで運用益を得やすくなります。目安として5年以上は使わないという資金を準備するのに向いています。

昔は貯金をしていればよかったですが、金利のほとんどない現在は、将来の資産形成には運用をするのが必須と言っても良いでしょう。
貯金できる額にもよりますが、最初は月に数千円程度の少額でも良いと思います。まずはつみたてNISAでの運用を早めにスタートすることをお勧めします。
詳しくは、いま資産運用を始めるなら「つみたてNISAしくは」をお勧めしたい理由をご参照ください。

このように、貯蓄は「残った額を貯蓄する」のではなく、「毎月一定額を貯蓄する」というスタイルを確立する事。
そして少しでも運用に回すことが将来の資産形成を考える上でも非常に大切です。

 

保険はほとんど不要。検討するなら会社の団体保険から

今の新入社員のご両親が新入社員だった30年前頃は、会社に生命保険の販売職員がやってきて、当たり前のように月数千円の保険に加入していました。
しかし、新入社員に死亡保険はほとんど必要ありません。
奨学金の返済がある、家族に仕送りをしているといった事情があり、心配だという方は最低限の保険に加入しても良いかも知れませんが、新入社員になったら保険に加入と言うのは昔の話です。
幸い最近は会社に保険販売員もあまり来なくなりましたので、不必要な保険に加入するリスクも減りましたが。

とは言え、やはり大きな病気やけがの際などに保険が全くないのも不安だという方は、保険料の安い勤務先の団体保険や共済を検討すると良いでしょう。(詳しくは勤務先のグループ保険は要チェックをご参照ください)

また、年齢が低い時は保険料も安いので、最低限の医療保険やがん保険などは保険会社の商品を検討しても良いかもしれません。

また、年金保険なども昔は利率が良かったですが、今は利率が非常に低いです。
老後資金準備であれば、会社の確定拠出年金制度があれば積極的に利用すると良いと思います。
あるいは、さきほどのつみたてNISAを活用するのも良いですね。
いずれにしても、保険料も先ほどお話しした固定費となります。最低限必要な範囲で検討するようにしましょう。

 

まとめ:何よりも早いスタートが肝心

これまでのお話をまとめると、以下のようになります。
・大雑把でも収支のチェックをする
・固定費を削減する
・定期的にお金をプールする

こうした仕組み作りは、何歳になっても家計管理の肝になる部分です。そして更に、
・少額でも資産運用を始める
・無駄な保険に加入しない
といった点も大切です。

残念ながら、いまは貯金をコツコツするだけでは資産は増えていきません。
初任給を手にする今の時期、是非今後のお金の管理について、計画をしてみてください。
こうした基本を習慣づけることが、30代・40代に大きな差となり、引いては資産寿命の長さにまで影響してくると思います。

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