大谷選手は仕方ないが・・私たちが世帯の資産を把握しておくべき3つの理由
大谷選手が、通訳だった水谷氏から約24億円もの資金を不正に引き出され、ギャンブルに使われていたというニュースには驚きました。
金額もさることながら、それまで信頼していた人に裏切られたとのことで、大谷選手のショックは大きかったと思います。
それでも今シーズンも、安打を量産し、期待通りの活躍をしているのがスゴイです。
このニュースについては様々な憶測も流れていましたが、結果的には水谷氏が大谷選手の資金を不正に引き出しいていたという非を全面的に認めたということで落ち着きつつあります。
しかし、それだけの資金を引き出されて、本当に大谷選手は気づかなかったのか、という指摘もあるようです。
一般的に一流のプロ選手は、資産管理専門の代理人を付けているケースがほとんどでしょう。
水原氏は通訳の立場でその資産管理の代理人も騙していたと言われています。
また、大谷選手は3年間自身の銀行口座にログインをしたことが無かったとも伝えられています。
さまざまな情報があり1つ1つ真偽のほどはわかりませんが、いずれにしても選手自身は口座の詳細まで把握していなかったのは確かの様ですね。
それよりもプレーに集中してファンの期待に応えるのが、本当のプロという事なのでしょう。
世帯の資産を知らない人が意外に多い
大谷選手の様な一流のプロ選手の資産であれば、金額も桁違いであり、信頼できる代理人に任せるのが現実的です。
しかし、一般の方でも、自分の世帯の資産状況を知らないという方が、結構多いことに驚きます。
特に多いのは、お小遣い制のサラリーマンで、毎月貰う小遣い以外は奥様に任せっきりという方。
給与が入ったら大半を奥様に預け、その中からお小遣いや特別な出費の時だけもらうという方式です。
その様なスタイルの場合、自分の資産は、ほぼ全てが世帯の資産に含まれているという状態です。
奥様がしっかりしているので、貯金はしてありますが、実際今いくらあるかはわからない、という方は意外に多いものです。
先日はその逆で、専業主婦だが、夫がお金の管理をしており、世帯の財産はわからない、という方もいらっしゃいました。
FP相談を受ける方でもそうなので、意外に他にもそのような方は多くいらっしゃるのでしょう。
世帯の資産を配偶者の方がしっかり管理されていて、それを信頼することは素晴らしい事かも知れません。
それはもちろん良いのですが、その内容を把握しておく事も、大切な事だと思います。
それは、以下の3つの理由が挙げられます。
(1)緊急事態に備える
例えば世帯の財産管理をしていた妻が病気で倒れてしまったとします。意識は全く戻りません。
そのような場合、財産のことを把握していない夫は、治療費をどのように負担すればよいでしょうか?
更に、不幸にも万一亡くなってしまった場合には、相続が発生することになります。
夫と妻の財産が区分けされていなかった場合、どこまでが相続財産となるでしょうか。
こうした問題が起きたとき、緊急の出費に対応することができない恐れがあります。
または、なかなか想定しないかもしれませんが、離婚した場合も同様です。
特に先ほどの様な、夫が財産管理している専業主婦の方は、夫に離婚を切り出されたら、その先の生活設計をどのように立てるのでしょうか。
ある程度の財産分与はされるとしても、生活に必要な資金を確保できないかもしれません。
このように、財産を把握していないことで、緊急時の資金を準備できなかったり、生活資金が不足したりするという事態も起きる可能性があります。
(2)お互いの監視で不自然な使い方をしない
世帯の資産は妻がしっかり貯金しているはずだから大丈夫という方は多いです。
しかしいざ確認してみると、意外と貯金が無かったとか、夫に内緒で何かに投資していた、という話はよくあるものです。
先日は奥様のカードのリボ払いが想定外に高額だったというケースもありました。
こうしたケースも、お互いが世帯の財産を把握しておけば、資金を無駄に使わない、という意識が働きます。
もちろん、財産のすべてを把握する必要はありません。
お互い、相手が知らない財産(へそくり)がある程度あっても良いでしょう。
しかし、それ以外の世帯の財産については、お互いが大体の金額を把握しておくことで、余計なトラブルを生まなくて済むと思います。
(3)自身の将来設計に必要な資金を確保しておく
毎月定期的な収入があり、今は仕事も順調という場合でも、将来のキャリアチェンジや退職後の仕事のことを考えて、資格を取るとか学び直しをするといった事も出ると思います。
夫婦間でそのような将来のプランを共有して、その分の予算を確保していればよいでしょう。
しかし、いざ思い立った時に資金不足で行動できないというのは不本意です。
今はそのような事を全く思っていなくても、世の中の変動は激しいです。
また、仕事の環境によっては精神的に追いやられることもあります。
自身の将来のために動くための資金は、ある程度自分の責任で確保しておく方が安心だと思います。
世帯の資産に関心を持つことが大事
自分の資産はもちろん、世帯の財産をある程度把握しておくことはいざという時に必要です。
大谷選手の様に、しっかり代理人が管理していはずのケースでも、詐欺を防げませんでした。
ただ、多額な詐欺事件でしたが、大谷選手の年俸からすれば今後の活動に影響が出るものでもなさそうです。
しかし私達一般人は、限られた資産の中で生活をしていく必要があります。
その財産が、自分が考えていたよりも大幅に少なかったという事もあるかも知れません。
あるいは、緊急事態で資金が必要な時にどの程度調達できるかも、お互いに把握しておいた方が良いでしょう。
家計管理を信頼できる奥様に管理してもらうという体制自体には、何ら問題はありません。
普段は仕事が忙しく、そこまで頭が回らないという方も多いでしょう。
しかしそれでも、任せっきりでなく、その内容を定期的にある程度把握しておくことも大切だと思います。
いざという時に慌てないためにも是非、世帯の資産にも関心を持っていただければと思います。