勤務先のグループ保険は要チェック!

先日保険を検討している相談者の方から、勤務先のグループ保険についてご質問がありました。
グループ保険とはいったいどのような仕組みなのでしょうか?

グループ保険は、大きな企業の健康保険組合・労働組合などが、その社員や組合員向けに、一般より割安の保険料で保険を提供する仕組みです。また、中小企業や個人事業の方でも、業界団体などで設定している場合もあります。

保障を提供する保険会社としては、大きな団体を通して保険募集が出来る上に、保険料も給与天引き等で手間やコストを掛けずに徴収出来、また未収などのリスクも少ないというメリットがあります。

一方、これを導入する企業や組合側も、従業員や組合員のリスクの備えとして安価に保障を提供できるうえ、社員にしっかりした保障を持ってもらう事で、離職を減らすなどの効果も出てきます。

この制度はかなり以前から導入されていましたが、かつては単純な死亡保険や、入院・手術を補償する医療保険が主流でした。しかし最近になって保障ニーズの多様化から、がん保険や重度疾病保険、そして介護保険など、保険の種類も広がってきています。

保険を検討する際に、お勤めの会社にこうしたグループ保険制度がある場合は、まずこちらの内容を確認してみることをお勧めします。グループ保険の主な特徴を挙げてみたいと思います。

 

グループ保険のメリット

何と言っても掛金が安い・・一般の保険に加入するより保険料が2~3割、場合によっては半額以上安くなる場合もあります。団体でまとめて引き受けるので保険募集や事務手続きにかかる諸経費が削減できる分、大幅な割引が適用されています。また、年度毎に余剰経費分が還付金として戻される制度がついている場合もあります。

手続きが簡単・・年に1回パンフレットなどが配布され、加入希望者はプランにチェックして印鑑を押すのみで加入手続きが出来ます。告知事項も簡略化されていて、数分で手続きが完了してしまいます。

給与引き去り・・保険料は給与引き去りである事が多く、別途口座を指定したり、クレジットカードを登録したりする必要がありません。給与を受け取る限りは支払い漏れなどが生じにくいです。

 

グループ保険のデメリット

シンプルなプランが多い・・経費を節減するために簡略化された商品設計となるので、細かい特約を付けたり、加入期間、金額にある程度の制約があります。わかりやすいという考え方もできますが、オーダーメイドの保険設計は難しいです。

掛金が年齢毎に上昇・・年齢が上がると保険料が高くなるのはどの保険も同じですが、グループ保険は自動的に更新するケースが多いため、年を追うごとに保険料がいつの間にか上昇している場合があります。年齢毎の保険料を確認しておくことが大切です。

退職後は継続できない場合がある・・その企業に勤務している間のみ加入できたり、割引が適用出来たりする場合は、退職後に解約をせざるを得ないというケースも出てきます。また定年退職後も加入を継続できるケースも多いですが、80歳までなど年齢が制限されている場合もあるので、その点はよく確認が必要です。

加入しているのを忘れやすい・・担当者からしっかり説明を受けるわけでもないので、加入した印象が薄く、存在を忘れてしまうケースがあります。そうすると保険の請求漏れなどが起きてしまいますので、契約の自己管理が必要です。

 

一般の保険との組み合わせが有効

このように、グループ保険にはメリット・デメリットがありますが、デメリットも含めてしっかりと内容を把握した上であれば、何よりも保険料が安いというのは大きなメリットになると思います。

とは言え、すべての必要な保障をグループ保険だけで賄えるというケースも少ないので、バリエーションの多い一般の保険会社の商品と組み合わせて加入を検討するのが良いでしょう。

例えば、シンプルな死亡保障や医療保障はグループ保険で安く加入し、例えば就業不能保険や重度疾病保険などがカバーできなければ、一般の保険会社で準備するといった方法などが効果的です。

会社の福利厚生は勤務者の受けられる権利です。今回ご紹介したグループ保険はじめ、様々な福利厚生の制度が用意されていると思います。せっかく勤務しているならば、その様な制度についてもよく確認した上で、積極的に活用される事をお勧めします。

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