ご相談の際、まず最初にお話を伺いたいこと

FPへの相談内容は、例えば、毎月赤字の家計をどうしたら良いかとか、保険の見直しをしたいとか、ローンをどう組んだらよいか、など、様々な内容にわたります。

しかし、どの様な相談でも、最初に相談者の方に聞いておきたいことがあります。それはいったいどのような事でしょうか?

現在の貯蓄額?毎月の収入?今の収支?
もちろんそれらも大事で、ぜひ用意していただきたい資料です。
しかし、それらの確認に入る前に、ぜひお伺いしたいことがあるのです。

 

将来の理想はどんな姿ですか?

相談をされる方は、もちろん、目の前に困りごとや悩みがあるから相談されることが多いです。
しかしそれは、将来何か理想の姿があり、そうなるのに不安や支障があるからだと思います。

将来こんな仕事をしたいとか、家を建てたいとか。あるいはリタイア後に事業を始めたいとか。
そのあたりは人により様々で、世界中を旅行したいという方もいらっしゃれば、そんな大きな理想ではなく、老後お金に困らない程度に穏やかに暮らせれば十分したいという方もいらっしゃいます。

まずはそのような、ご相談者の将来の理想の姿を伺いたいと考えています

特に40~50代のミドル世代のご相談では、近い将来もそうですが、今のお仕事を終えられてからの、ご自身のなりたい姿もイメージしていただきます。
そして、そうなるために、現状をどう変えていく必要があるか、まずこの点を確認する事が大切になります。

「資産運用をしたい」→「ではこうすれば年〇%の運用成果を見込めますよ」だけでは説得力がありません。
それは何のためなのか、目標はどうなのか、その設定が必要です。
そのようなお話をすることで、ご案内した方法を実践する理由付けにもなるのです。

 

不安に感じている事を整理する

そしてもう一つ、ご相談者の不安や問題に感じている事について、その内容を一歩踏み込んで伺いことも大切です。

例えば家計の赤字が続いて大変、という方がいらっしゃいますが、なぜ赤字が続くのか。消費癖があるのか、収入が低いのか。ではなぜ今その状態なのか?これまでその現状を変えようとしたことがあるのか?

そうした点に踏み込まないで、例えばスマホを安いプランにしましょうとか、保険を見直しましょうと言っても、それは表面的な対策に過ぎません。消費癖のある人であれば、それで節約できたお金を更に使ってしまうだけになるでしょう。

また、様々なテーマのお話をする中で、実はさほど不安に感じなくても良いことだと確認できる事もあります。

例えば貯金を殖やさなきゃいけないと考えている理由を確認すると、ご両親の介護を心配していたとします。しかし、介護保険制度のご説明をすることで、想定より準備する費用が少なくて良かったという事がわかるかもしれません。

不安の因子をよく伺うことで、本当の解決方法であったり、解決すべき優先順位が明らかになることが良くあるのです

 

相談で心がけているのは「ゴールベースアプローチ」

このように、相談にいらっしゃる方の将来の理想の姿を聞く、今の不安の内容を一歩踏み込んで確認する。
こうしたプロセスを踏んで、具体的な相談に対応することが大切です。

これを無くして相談を進めると、相談者との考えの相違や、目指す目標の誤差が生じて、相談内容もしっくりこないものになってしまいます。

相談者がお話しすることだけでなく、将来の理想・目標を伺い、それにむけた資産運用やライフプランの設計をすることを、「ゴールベースアプローチ」といいます。

どんな運用をするか、どんな保険が良いのか、ローンはどのように組むのか、それは解決方法に過ぎません。
相談者の人生の目標「ゴール」に寄り添って、そして今の不安を少しでも和らげ、安心していただけるお話ができるよう、心掛けていきたいと思います。

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