いま資産運用を始めるなら「つみたてNISA」をお勧めしたい理由

新型コロナの影響で株価が大きく変動するようになってから、資産運用に興味を持ち始める方が増えています。
昨年春頃は株価が暴落したために、それから上昇するのを期待して株式投資をスタートしたという方が多かった様です。
一方最近では、特に独身の方や60前後の方などを中心に、これまでは銀行や保険しか活用してなかったけど、株や投資信託を活用した資産運用を始めたいというご相談が増えています。

このように日々の相場の変動が大きく、先行き不透明な昨今ですが、これからじっくりと資産運用をスタートしたいという方には、インターネット証券口座を開設し、「つみたてNISA」からスタートすることをお勧めしています。

実際初心者でも成果を上げやすく、リスクも少ない方法です。今回は、何か運用を始めたい、という投資初心者の方に「つみたてNISA」をお勧めする理由についてお伝えしたいと思います。

 

インターネット証券口座を開設する

本題の「つみたてNISA」のお話の前に、まずはインターネット証券会社についてです。
「つみたてNISA」利用には、金融機関に専用口座を開くことになりますが、こちらはインターネットで取引できる証券会社をお勧めします。インターネットの証券会社には、下記の様なメリットがあります。

〇取引時の手数料が安い
つみたてNISAでの運用は、短期間で10%、20%という大きな利益を目指すものではありません。長期的にコツコツ積立てを続けることになるので、小さな手数料の差が将来大きな差となってきます。

〇好きな時間にパソコンやスマホで取引できる
平日の日中に店舗に出向くことなく、好きな時間に取引ができます。また、情報も常に更新されるので、最新の情報を確認しながら取引することができます。

〇商品の勧誘・営業がない
金融機関の担当者がつみたてNISAを積極的に勧めてくることはあまりなく、他の商品を営業されることが多いです。
そうした商品は手数料が高い上、短期間での売買を勧められる事が多いです。

なお、ネットだとサポートする人がいないと不安と思うかもしれませんが、コールセンターなど、困ったときのサポート体制もありますので、その点はさほど心配ありません。

多くのインターネット証券会社がありますが、中でも楽天証券SBI証券などの会社は、取り扱い銘柄も多く、NISAでの取引をするのに適していると思います。

一方、親からの相続や勤務する会社の持ち株の関係で、すでに大手証券会社等に口座を持っている方もいるかもしれません。大手証券会社でもインターネット口座がありますが、NISAを取り扱っていないケースもあります。また手数料も相対的に高いケースが多いので、別途インターネット専業の証券会社の口座開設をお勧めしています。

 

つみたてNISAで購入する「投資信託」とはどんな商品?

ところで、NISAは商品名ではありません。国が作った「少額非課税投資制度」という制度の名前です。
NISAって聞いたことはあるけど、どこかの商品名だと思っていたという方もいらっしゃるようです。
そして、この制度を利用して、専用の口座を証券会社などに開設して、そこで「投資信託(ファンド)」という商品を購入することになります。

「投資信託(ファンド)」とは、多くの投資家から少しずつ投資資金を拠出してもらい、その資金で、数多くの株式や債券などを購入し、運用していく商品です。運用先は専門家に任せられますので、私たちはそれぞれの投資信託の運用方針を確認して、購入することになります。

特定の会社の株式を購入するとなると、通常数十万円から購入可能となることが多い上に、会社の業績によって株式は大きく変動しますので、リスクが大きくなります。
一方で投資信託は、多くの会社の株式を購入しているので、1つの会社の業績には左右されず、どちらかと言えば経済・社会全体の流れによって値動きするというイメージになります。したがって、株式を購入するよりは、「分散投資」によるリスク軽減が図れるのです。

日本で購入できる投資信託(ファンド)は、現在6000以上あります。これでは迷ってしまって何を購入したらよいかわかりませんね。しかし、つみたてNISAでは、国の決まりで、リスクが低く、手数料も低い投資信託のみを取り扱っているので、安心して利用をすることができるのです。

 

もうひとつ良く聞く「IDeCo」とはどう違う?

IDeCoとNISAは、いずれも国が、多くの人に資産運用に取り組んでもらおうと導入した制度です。
これらの口座を利用した場合、得られた運用益が非課税になるという優遇制度は同じなので、よく比較検討されています。しかし、制度の本質は全く異なるので注意が必要です。

IDECOは「個人型確定拠出年金」です。つまり利用目的は将来の年金となります。
利用できるのも現状は59歳までの方に限られ、年金を受け取れるもの原則60歳以降となります(ただし運用期間は10年以上必要)。また、自営業者などは利用可能額も大きいので活用しやすい制度です。一方で会社員の方は、勤務先で企業型の確定拠出年金が導入されていると利用できなかったり、金額に制限が出たりします。こうした利用目的や利用資格に制限がある分、IDEOCには、拠出した金額も所得から控除されて非課税になるなど、税制優遇のメリットは大きくなります。

一方でNISAは先ほどの通り「少額非課税投資制度」です。利用金額に制限はありますが、IDECOほど利用者の資格は制限されていません。60歳を過ぎても利用可能です。ただし、拠出した金額自体は所得控除とはならず、運用益のみが非課税となります。

 

「NISA」と「つみたてNISA」はどう違う?

NISA口座には一般NISA・つみたてNISA・また18歳未満の方向けのジュニアNISAの3種類があります。
ここでは一般NISAとつみたてNISAについて比較します。

一般NISAは投資信託や株式などの商品を、年間120万円まで、5年間運用できる口座です。
一方で「つみたてNISA」は年間40万円まで、20年間運用できる口座で、決まったタイミングで自動的に積み立てる設定をすることができます。購入できる商品は販売手数料が0円(ノーロード)・毎年発生する手数料(信託報酬)も安い投資信託となります。

投資信託は毎日値動きしますが、購入する際にまとまった金額で一度に購入すると、その後値下がりした場合大きな損失を被ることがあります。

一方、積立口座で毎月一定額を積み立て投資すると、その商品の値段の安い時は多くの単位を、値段の高い時は少ない単位を購入することになります。つみたてNISAで扱われる投資信託は、値動きが世界や日本の株式市場に連動するインデックス型と呼ばれるものが多いですが、いずれも細かな価格の変動をしながらも、長期的には価格が上昇しているものが多くなっています。このような商品に積み立て運用を長期的に続けていくことで、元本割れする可能性が低くなります。細かな値動きを気にせずに、数年・十数年という単位でじっくり運用に取り組むことで、効果が大きくなるのです。

なお、現在はNISAかつみたてNISAの一方を選択することになりますが、2024年からは両方利用することが可能になり、上限金額なども変更になる予定です。

 

株価の変動の激しい時期は、リスクの低い「つみたてNISA」でスタートを

このように、つみたてNISAで運用すると、リスクが低く手数料も安い投資信託で運用されることになります。また、長期的に運用することで高値つかみをすることもありません。
資産運用は「長期」「分散」「積立」を実践することが大切です。
必然的にこの方式を取れるのが、つみたてNISAでの運用です。
しかも、口座さえ開設すれば一定額まではすぐに運用をスタートすることができます。
手元に資金がない方も、まずは月1000円からスタートするという事も可能です。
また、10数年後の教育資金などのように、長期的に資金の準備をする場合にも利用できます。

昨年から今年にかけては株式相場が急激に上昇しています。当面この状況は続きそうですが、またいつ大きく下落するかわかりません。
その様な状況の中でも資産運用をスタートさせるには、一時的にまとまった金額を投入するよりも、積立投資で様子を見ながらスタートする方がリスクは少ないです。
仮に大きく相場が下落しても、安くなった価格で多くの単位の投資信託を購入し続けるだけです。
一時的に資産額はマイナスになるかもしれませんが、そこで中断することなく、腹を決めて長期間運用を継続しましょう。

そして、いくつかの商品を購入して、ネット画面を時々確認していれば、証券の操作法や値動きの感覚に慣れてきます。
更に興味が沸いてきたところで、投資額を増やしたり、つみたてNISA以外での口座での取引や株式投資などに進んだりしていくのが良いのではないかと思います。

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