今週気になった日経新聞記事より(2020.12.13)
ニューワーカー新常態の芽生え(5)
「腰掛けシニアは限界」現役続行、自ら磨いてこそ(12月12日)
「腰掛けシニア」こんな言葉が企業でささやかれている。定年後にやる気をなくしたまま企業にしがみつく社員の事だ。
「意欲を持って働いている」と答えた60代は54%と半数に過ぎない。
定年を間近に控える現在50代の方々が新卒で入社したのは、まさにバブルの好景気の時期。さほど苦労せずに大企業に就職することができたと言われています。
一方で、現在最も人数も多い40代後半以下の世代、いわゆる団塊ジュニアと言われる世代は就職難の時代で、企業はそれ以降採用人数を絞り込んできました。その結果、特に大企業を中心に50代の社員が多くなっている様です。
これから定年延長という流れも出る中で、企業はこれから定年を迎える、あるいは迎えた社員の処遇について様々な対策を取ってくることが考えられます。
今回の記事は、60代の働き手にもう一度輝いてもらおうと、処遇の改善をするとか、成果を報酬に反映するといった、前向きな内容ですが、それはあくまで成果が期待できる人に対してです。そのような人とそうでない人とは、これからは厳しく選別されることになるでしょう。
50代というと、まだ住宅ローンを抱え、子供の進学を控え、これから学費が発生するという方も多いです。一方で、「腰掛けシニア」予備軍のような状態では、50代から役職に就くことも難しくなり、収入も減少していきます。
企業に何とか退職金をもらうまで無難に働いていようといった考え方では、会社に居場所がなくなる可能性があります。
自ら居場所を作り出すという考え方が必要です。年齢に関係なく、将来を見据えて仕事のスキルを身に付ける、資格を取るといった活動を、早い段階でスタートすることが、これからは大切になってくるでしょう。
東京都、新車販売30年全て電動車。政府目標に先行(12月9日)
東京都が2030年までに新車はすべてハイブリットや電気自動車など電動車にする方針を示した。ガソリンエンジンだけで動く新車の販売を国より5年前倒しで止め、CO2を削減する。
2030年というと10年後、私が今乗っている車は13年乗っているので、1回の買い替えサイクルに収まる時期となります。もちろん、新車が電動車という事であり、2030年からガソリン車に乗ってはいけないという事になるわけではありませんが、今後の自家用車の持ち方について考えるきっかけになりそうです。
この方針は諸外国と比較しても5年早い目標だという事です。現在販売される新車のうち、ガソリン車の割合は6割でまだ半数以上ですが、これを10年でゼロにしようという目標です。自動車の場合は関連産業も多い上に充電スタンドなどのインフラ整備も伴わないといけないので、10年という期間はかなり短いと言えるでしょう。
また、現在の新車の半数近くが軽自動車です。軽自動車は技術的にハイブリッドが難しいと言われています。また、電気自動車は重いので、そこで消費するエネルギー効率は悪いとか、生産台数も少ないので効率が悪いなどという意見もあります。また、ガソリンが電気になれば原発の需要が高まるといった意見もあります。どれももっともな意見だと思います。
しかし、こうした目標を設定することで、技術革新や生産効率向上に向けて動いていく体制が進みます。あえて厳しめの目標を立てることで大きな効果を見込むことができると思います。地球環境に関することなので、大きな力で動かしていく必要があるのではないでしょうか。2030年にその目標が達成できるかどうかは別として、自動車の電動化の流れが加速するのは間違いないでしょう。
さて、私の車もそろそろ買い替えと思っていましたが、どうしたものか。ハイブリッド、電気自動車?あるいは自動運転や安全装置の技術革新も気になります。車の保有形態もリースやカーシェアなどの選択肢も増えました。車に関する変化はこれから増えていきそうです。もうしばらく様子を見ていこうと思います。
来るか円高・株高時代~業績の為替感応度が低下(12月10日)
市場参加者の間では2021年の日本株相場は堅調に推移し、日経平均株価は一段高の展開になるとの予想が増えている。一つの根拠として、今年の日本株が「上がるも下がるも為替次第」という構図から脱し始めた点がある。
以前は資産運用の勉強をすると、日本は輸出が多いから、円高が進めば(外貨を得る輸出企業の収支悪化を招くので)株が下がるという流れがあることを学びました。しかし現在は、多くの企業が現地生産を進め輸入を増やしているので、こうした法則は当てはまらなくなりました。
また、今回の新型コロナの影響で各国の財政出動が続いた結果、当面世界的な低金利の流れが続きそうです。すると、海外投資のために低金利の円を調達するという流れもメリットがなくなるので減ってきます。かつては低金利-株安―円高という相関がありましたが、この法則も変わっています。
このようにかつては当たり前と思っていた流れが、最近は大きく変化しているという事が多いです。
・株価の上昇-円安の進行
・株価の上昇―債券価格の下落(利回りは上昇)
・外貨での運用は利息が良い
こうした運用の相関関係は、もはや過去のものです。この考え方にとらわれていると、想定外の結果を招く恐れもあります。
特にコロナの影響で経済情勢・社会情勢は大きく変わりました。過去の常識にとらわれず、常に最新のトレンドを確認しながら運用していく姿勢がこれからは必要になると思います。