今年は特に意識しておきたい、冬のボーナスの使い方
12月も中旬に入り、企業にお勤めの方はボーナスが一通り支給された頃ですね。
冬のボーナスの平均値といったニュースが出ていますが、一般社団法人労働行政研究所の統計によると、上場企業の全業種の平均は743,968円、昨年比3.2%の減少となっています。
こんなにもらっていない!という方も多いと思いますがこれは上場企業の平均です。中小企業を含めた全業種では、今冬の正式な統計は出ていませんが、厚生労働省の勤労統計調査では、今年の夏の平均額は、30名以上勤務の事業所の平均で438,830円となっています。
平均金額は業種や会社の規模により異なるので参考にならないかもしれませんが、いずれも前年より減少する傾向になっています。やはり新型コロナの影響で、ボーナスの支給額が減っているというのは間違いなさそうです。
年末年始は出費も減りそう?
しかし、ボーナス減額とは言え、ある程度まとまった金額を受け取れる上に、12月の給与は年末調整などで税金が還付されるので、普段の月よりも収入が増えることになります。
一方で、今年は忘年会も大幅に減り、地方に実家のある方は帰省を控えるという動きもあり、例年よりも支出の減る傾向が多いです。
このように、今年は普段と異なるお金の動きをする年末年始を迎えることになりそうです。
その様な状況なので、例年はボーナスをさほど計画立てずに使っていたとか、何も考えず貯金していたという方も、今年は家計や資産のバランスを見ながら、しっかり計画を立てていく必要があるのではないかと思います。
特にボーナスを使う計画のある方は、何となく忘年会や帰省の出費が減ったからと言って油断していると、後からこんなはずじゃなかったという事にもなりかねません。
今回は5人のボーナス利用法の事例をご紹介しながら、今冬特に意識したい留意点についてお話しをしたいと思います。
1)特に使い道も無いので貯金しておく
この様な方はある意味堅実で良いですね。先行き不安な世の中でもあり、お子さんが小さいとか、老後資金準備が不足しているという事であれば、ボーナスもしっかり貯蓄するという方も多いでしょう。
ボーナスの使い道ランキングで、貯蓄は毎年不動の1位です。そもそも「貯蓄」が使い道なのかどうかはわかりませんが・・。
しかしこの貯金、以前はさほど意識しなくてよかったものの、今は目的別に適した方法で準備しておくことが必要です。
例えば数年後に家購入の頭金が必要という事であれば、定期預金など安全な方法が適していますし、十数年後の教育資金や老後資金の準備ということであれば、投資信託等を活用して分散運用していくという考え方も必要でしょう。
預金で資産は増えない一方、物価や税金の上昇で貨幣の相対的価値が減る時代です。実質的な資産を目減りさせないためにも、単に銀行に残しておくのではなく、資金の置き場も目的別に意識して変えていくことが必要です。
2)住宅ローンの繰上げ返済
住宅ローンの繰上げ返済もボーナスの使い道として多い様です。確かにローンは一日でも早く返済したいですよね。
しかし、先回「退職金で住宅ローン一括返済を考える」でも書かせていただいた通り、昨今はローン金利も非常に低い時代です。やみくもに返済に回すのではなく、しっかりシミュレーションをして、いくらのメリットが出るのかを確認した上で返済するのが良いでしょう。
先行き不透明な時代、急に会社が業績不振になることもありますし、災害に見舞われたり、病気で働けなくなったりする可能性もあります。ある程度まとまった手元資金を残しておくという考え方も今は大切です。
3)家電を買ったりホームパーティーしたり、在宅生活を充実させる!
忘年会やパーティーなども減り、自宅で過ごすことが多くなりました。
今年はクリスマスツリーの販売が多く、ケーキやお節料理の予約も好調な様です。このように在宅生活を充実させるのは良いですね。外での飲食より費用が安く済む場合も多いです。
その点での問題はあまりありませんが、こと大きな買い物についてはしっかりと計画を立てておいた方が良さそうです。
大型家電や家具なども売れ行き好調ですが、この時期は手元の資金も増えるし、お店にはクリスマスムードで楽しい音楽も流れています。家電量販店などではつい予算オーバーの買い物をしがちです。最初から欲しかったものか、本当に必要なのか、よく検討したうえで購入するようにしましょう。
4)自粛ストレスをセールの買い物で解消!
遠出も飲み会もない!ストレスもたまる!という事で、浮いた費用は年末セールで買い物と考えている方も多いのではないでしょうか。確かに、自粛疲れという言葉もよく聞くようになりました。
買い物自体はストレス発散にもなり、ある程度は良いと思いますが、セールで買う物は意外とすぐ飽きたり、品質が悪かったりして長持ちしなかったりするものです。
福袋などの販売も予約制で実施されるようですが、私の場合、福袋で買ったものに愛着がわいたことは無いので、最近は全く買わなくなりました。
前から欲しかったコートだとか、テレワークを充実させる家具とか、事前に必要な物を上げておくと良いですね。
バーゲンでの買い物や福袋などの場合も、ある程度予算を決めておくなど、後で後悔しないよう、程よく楽しめる範囲にしておくのが良いと思います。
5)普段の家計の赤字をボーナスで補填
毎月家計が赤字続き、今年はボーナス減額でどうなるかと思ったが、忘年会や帰省を控えたおかげで何とか乗り切った(汗)、という家庭は要注意です。
ボーナスはあくまで臨時収入。今回のコロナの様なことがあると大きく変動します。また今後も年齢が上がっても、収入が必ずしも上がるとは限りません。
もしボーナスに頼る家計の場合は、出費の減る可能性の高い今年は、家計を改善する良い機会になると思います。
固定費の削減や、無駄な出費がないかの確認、またローンのボーナス払いをしている場合は支払方法を変更する、カードの借入返済をボーナスで返済している方は、とにかく借入れを早急に無くすといった計画が必要です。
普段の家計管理をテコ入れして、強い家計を作る活動をスタートさせましょう。
ボーナスを通して、家計や資産の事を考えるきっかけに
年末年始にいちいちお金のことを考えて過ごすのはイヤだと思われるかもしれませんが、今年はコロナで世の中が変わりました。これまでと同じことをしていては、変わっていく世の中に取り残されてしまいます。
コロナの影響が続く中でも出たボーナス。定額給付金の時もそうでしたが、収支に変化の出るこの時期、ボーナスを通して、家計や資産のことをしっかり考える機会にされてみてはいかがでしょうか?
もちろん、私も含めて、最初からボーナス等ないという方も多いと思います。一方で現在会社勤めの方も、転職やキャリアチェンジで、いつ私たちの様なボーナス無しの生活になるかわかりません。
いただけるボーナスは有難く活用する一方で、先行き不確実なボーナスに頼らない家計を設計していくことも、これからは大切になってくると思います。