自分が将来受け取れる年金額を確認する方法
受取額の確認方法は2つ:ねんきん定期便とねんきんネット
先回は、実際に将来年金はちゃんと受け取れるのか、というお話をしましたが、今回は、受け取れる年金額を確認する方法についてお伝えします。
自営業者の方は国民年金に、会社員の方は厚生年金に加入されていますが、これらの年金はいずれも日本年金機構が管理していて、その金額や加入状況を確認するには2つの方法があります。
「ねんきん定期便」は誕生日の月に届きますが・・
1つは、毎年の誕生日の月に郵便で届く「ねんきん定期便」です。定期便というわりには、はがきサイズで届き、シールを剥がして中を見るという、こじんまりとしたものです。50歳未満の方の場合は、これまで納めた年金保険料に応じた年金額が記載されています。例えば40歳の方でしたら40歳まで払った年金で、すぐに年金受給した場合の額です。したがって、60歳まで年金を払って65歳から受け取れる額をすぐに確認することはできません。一方、50歳以上の方には、現時点の条件で60歳まで保険料を支払い続けた場合の年金額が記載されていますので、より現実に近い金額を確認することが出来ます。
「ねんきんネット」に登録すれば、より具体的にわかります
では、更に具体的な受取額を確認する方法はあるでしょうか?それが2つ目の「ねんきんネット」です。
https://www.nenkin.go.jp/n_net/index.html
「ねんきんネット」は、年金機構の公式WEBサイトに登録すると、自分の年金の情報を確認することが出来ます。
このシステムは優れもので、今後の年金加入期間や収入見込みを入力して、将来受け取れる年金額を試算することが可能です。しかも60歳から受け取る繰り上げ受給、70歳から受け取る繰り下げ受給などにも対応しています。金額は月額でハッキリ表示されますので、老後の収入のイメージがかなり具体的になります。
「ねんきんネット」の利用登録には、基礎年金番号と、先ほどの「ねんきん定期便」に記載されているアクセスキー番号が必要です。基礎年金番号は年金手帳や年金証書に記載されています。アクセスキーがない場合は、仮のユーザーIDの登録で手続きをすることも可能です。一度登録してしまえば、ネット銀行の残高を確認するように、いつでも好きな時に確認が出来るので便利です。また今後、マイナンバーカードを利用する方も増えそうですが、マイナンバーカードを使ったマイナポータルというサイトからもアクセス可能です。
老後資金を考える時は、まず「ねんきんネット」に登録を
老後資金の準備を考える上では、まずは自分の年金受給額の確認が第一です。そのためにまずは「ねんきんネット」に登録することをお勧めします。そこで自分の受け取れる年金額がある程度把握できます。
そして、老後の生活費や住まいにかかる費用、医療や介護の費用など、必要な資金を算出すると、年金だけではどの程度不足するのかがわかります。その上で、不足分をどの様に準備するのか、貯金するのか資産運用するのか、様々な方法を検討していくのが良いでしょう。ただやみくもに資産増やそうとしても、目的がはっきりしていないのであれば、長く続きません。
老後資金が心配になるのは、その年金額が少ない、足りないと言われている事もそうですが、その金額がそもそも漠然としかわからないという事も大きな要因ではないでしょうか?「ねんきんネット」で自分の年金を常に見える化しておくことで、老後資金についてのチェックをいつでも出来るようになると、漠然とした心配事も減っていくのではないかと思います。