「投資」と「投機」は違います

なぜ資産運用を始めましたか?

新型コロナウイルスの影響で、一時株価が大幅に値下がりしたことや、また在宅勤務で時間ができた人が増えたことにより、今年3~4月のネット証券会社の口座開設数が過去最高になったとのことです。
以前から、記録的な低金利が続いていること、老後の資金不足への意識が高まっていること、そこへ国もIDECOやNISAなどの施策を整備してきたこと、など、資産運用の広まる環境が整いつつありました。そこに今回新型コロナの問題が起きて、一気に多くの人が動き出してきたという状況です。
今回動き出した人は、比較的若い世代の方が多い様で、資産運用が広い世代に広まることは、将来的にも良い流れだと思います。
ところで、最近になって資産運用を始めた方は、なぜ資産運用をするのか、という事を考えたことはあるでしょうか?
さほど深く考えてなかった、単にお金を増やしたかった、という方は、是非これから先を読み進めていただきたいと思います。

「投資」と「投機」は違います

これから資産運用を始める時に、まず意識しておきたいのは、「投資」と「投機」の違いです。
株取引で言えば、コロナで株式が暴落したから、今のうちに株でも買って、値上がりしたら売って利益を得よう、といった考えは、「投機」にあたります。「投機」をする人は、株価の値動きがものすごく気になり、仕事が手につかなくなる場合すらあります。しかし、市場では多くのプロのトレーダーが取引に参加しているわけです。その様な方々の中を勝ち抜いて利益を上げていくのは非常に難しい作業であり、特に初心者の方はうまくいかないケースが多いでしょう。「投機」で利益を上げ続けるには、それなりの覚悟と運が必要です。このように「投機」は、価格の変動に対して短期的(長くても数カ月程度)に資金を投入するものであって、実は資産運用とは相容れないものと言えます。

これに対し、自分が将来成長を見込む企業の株式に資金を投じることで、その企業の長期的な成長と共に自分の保有する株価も上がり、配当も継続的に得られるというスタイルが、「投資」です。「投資」は数年~数十年に渡るものが一般的で、余程の事がない限り、数カ月程度で結果が出るものではありません。長い年月の間にはリーマンショックやコロナショックの様なこともありますが、それでも長期的に見ると、多くの企業の株式は上昇をし続けてきました。企業の理念や将来性を信じて、株を保有し続けるというスタイルが、本来の「投資」のスタイルと言えるわけです。

特に最近資産運用を始めたという方は、自分のスタイルが「投機」になっていないでしょうか?
必ずしも、「投機」が悪い、というわけではありません。「投機」をする方が多くの取引をすることで、市場は活性化されます。
ただし、自分の資産を確実に増やしたい、ということであれば、やみくもに「投機」に参加をする事は控えなければいけません。どうしてもやるならば、最悪無くなっても生活には影響しないという余裕資金でやる事をお勧めします。

資産運用は、思いを込めて、じっくりと

多くの方は、将来が不安だから、豊かな生活をしたいから、家族に良い思いをさせたいから、といった「思い」があって、資産運用を始めたのではないでしょうか?そうであれば、これからどんな将来を迎えたいか、そのためにいま手元の資金をどのように運用する必要があるのか、という事を、まず考える必要があります。
その目標を達成するために、何に「投資」するのが良いのか、株式であれば銘柄もそうですが、さらに広い視野で、株式が良いのか、債権が良いのか、投資信託が良いのか、あるいは不動産なのか、金などの商品が良いのか・・それぞれの特徴を踏まえた上で、自分のスタイルを作り上げることが必要です。
ただやみくもに、コロナで株が下がったから、周りのみんながやっているから、とにかくお金をふやしたいから、金融機関の人に勧められたから、では、資産運用はうまくいきません。しっかりと思いを込めて資金を投入し、ゆっくり大切に育てていく、という考え方で進めていくことが、時間はかかりますが、成功への近道になると思います。

Follow me!