FP相談を伺う際に心がけていること

新型コロナも国内では落ち着いており、感染対策をしながら直接ご相談者を訪問することが増えてきました。
やはり、オンラインよりも直接お話をする方が、ご相談の内容も深く、有意義になるので良いですね。
そして、長く担当をしているお客様でも、年末のご挨拶などで久しぶりにお会いすると、コロナで家庭環境が変わっていたり、新たな問題が出たりして、新たな相談が発生するというケースも多いです。

一方、コロナ禍で経済・社会情勢の変化も大きく、法律や税制の改正もいくつかありました。
助成金やポイント還元といった新たな国の施策もあり、次々と更新される情報に追い付いていくのも一苦労です。
その様な中であるからこそ、今後FP相談がますます必要とされているように感じます。

そこで今回は、FPを取り巻く環境も変わった今改めて、当オフィスで相談者のお話を伺う際に、私が心がけていることとその理由について、整理をしたいと思います。

まず大前提は、お話をじっくり伺うこと

相談の際にまず一番大切なのは、当然のことですが、相談者のお話をじっくり伺うという事です

時々相談会などでは、ご相談内容について、まるで先生の様に図などを使いながら流暢に説明を始めるFPもいます。
確かにご相談者は、相談にあたり「今日はこの相談をしよう!」と決めていらっしゃるケースが多いです。
たとえば「今日はNISAについて聞こう!」といった感じです。
しかしそこで、NISAの仕組みをお伝えしたり、家計状況から実際どのくらいの金額をやるかといった事をお答えしたりしても、それが最善のアドバイスとは限りません。

仮にご相談テーマが決まっていたとしても、まずはお話を伺い、なぜNISAを考えたのか、なぜ資産運用を意識したのか、なぜこのタイミングなのか、なぜ多くのFPがいる中で私に相談をしに来たのか・・・こうした事を質問させていただきます。
そしてたくさんの質問にお答えいただくうちに、緊張感も和らぎ、いろいろなお話を伺うことができます。
そうした中で、例えば親御さんの体調が悪く介護が必要になりそうとか、保険を掛け過ぎているかもしれないといった、ご相談テーマ以外の問題も出てきます。

お話を伺うと、実は解決すべき優先順位の高い問題が出てくることも多いものです
そして、出てきた問題に優先順位を付けてお話しすることで、本当にご安心いただくことができると思います。

なお、実際は限られた相談時間だと、なかなか難しい場合もあります。そのため相談時間については、私の所に直接お申込みいただいた初回相談の目安時間は90分としているものの、できるだけ満足いただけるまで、その場で時間の許す限り対応したいと考えています。

意外とシンプルな考え方。
アドバイスの基準は「自分ならどうするか」

じっくりとお話を伺った次は、そのお悩みや問題についてアドバイスをすることになります。
その際に心掛けているのは意外にシンプルで、その相談者の立場になり「自分だったらどうするか・・」と考えることです。

私は以前日系の大手保険会社に勤務をしていました。営業職で、実際お客様に直接保険のご提案をする業務です。そこでは当然その会社の商品を販売することになります。

勤務し始めた十数年前はまだ良かったのですが、最近では保険会社も商品も種類が増え、その会社の商品の優位性を感じないようになりました。また、年金積立なども利率がそれなりに高く、着実に貯蓄をする方法でした。
しかし、昨今の低金利の状態では、保険商品の様に低金利を長期固定する商品は不利になります。

その様な状況の中でも保険会社は営業組織であり、販売目標などもあります。基本的にはその会社の商品を販売しないといけません。すると、提案する商品が必ずしも数多くある商品の中のベストアンサーであると言えなくなってしまします。

その会社の他の営業担当は、大きな会社である信頼感の下、担当としてしっかりお客様をサポートしたり、有益な情報提供などしたりしていれば、お客様は商品内容をさほど気にしないという事を言う人もいました。
しかし、自分が自社以外の商品がベストだと知っているのに、自社の商品を薦めるというのはお客様本位ではありません。
その後その会社は退職し、FPとして活動することで、こうしたストレスからは解放されるようになりました。

現在は、保険に関しては提携代理店で十数社の保険会社の商品をご案内しています。
また、資産運用であれば、自分がやってみてそれなりに成果の出ている方法をご案内しています。
相続の相談なども、金融機関に相談すると手数料が高くなったり、頼んでもないサービスが付帯されている場合がありますが、当オフィスでは専門家と連携して、その時点で必要最低限のサポートを、手頃な相談料でご用意できるよう心がけています。
FPとして規定の相談料をいただくことで、会社のノルマやしがらみもなく、相談者の立場で、自分ならこうするというアドバイスができる体制を整えています。

長く担当させていただく前提でお話します

じっくりお話しを伺い、「自分ならこうする」というアドバイスをさせていただくと、その場の相談は終了します。
しかし相談者への対応はこれで終わりません。

もちろん、一度きりの相談だけのご縁という相談者もいらっしゃいますが、私としては、一度ご相談を伺った方は、それきりのご縁でなく、その後もフォローさせていただきたいと考えています。

その理由は2つあります。
1つは、アドバイスしたことが実践されているか確認できることです。

私たちがアドバイスをさせていただいても、実践されるのは相談者です。例えば、インターネットの証券会社の口座開設がお勧めとアドバイスしても、例えば手元にマイナンバーカードが無く、途中で手続きが止まってそれっきりというのはよくある話です。実際相談者が良いと思ったとしても、実践いただかなければ意味がありません。

そこで、相談後もフォローさせていただくことで、実践するところまでサポートすることができます。
具体的には、相談者のご了解をいただいたうえで、適切な時期に再度ご連絡をするようにしています。
相談者もその様な連絡がくることがわかっていれば、アドバイスを受けた事について実践する確率も高まると思います。

もう1つは、責任を持ったアドバイスができるということです。
FPの相談は、資産運用やローンなど、長期的に家計に関わるご相談となります。何かモノを販売してそれで終わりということはありません。しかも、将来の経済情勢や金利などはわかりませんので、ご案内した方法が将来にわたって必ずしもベストであるとは限りません。むしろ、想定外の事が起こる方が普通かも知れません。

そこで、長期的にサポートをお約束することで、ご案内する我々も無責任なアドバイスはできなくなりますし、経済や社会情勢の変化に対応することも可能です。

長く担当することは、簡単なようでいて難しいものです。会社組織、特に金融機関では、数年で異動や配置転換があり担当が変わることが多いです。相談者とお話する中でも、前の担当者は良かったけど、担当が変わったら全然来ない、というお話をよく伺います。

私は個人でご案内をしていますので、異動することはありませんし、定年退職もありません。
但し、年齢は40代後半なので、20代や30代の相談者に老後まで担当しますと宣言することはできませんが・・・
可能な限り続けていき、しかるべき時期に、信頼できる後継者に引継ぎをしていきたいと思います。
とりあえず今は、少しでも長く続けられるよう、健康には気を付けるようにしています。

「こんなこと相談できるのかな」という事も、まずは聞いてみてください

FPの相談の範囲は非常に幅広く、またそれぞれのテーマが複雑に絡み合っているものです。
しかし正直なところ、私がすべての問題を解決できるスキルや能力を持っているわけではありません。
そのために、弁護士・税理士など、多くの専門家の方と連携してご相談委対応することもあります。
もし、このような事聞いても大丈夫かな、という問題があれば、まずは聞いてみてください。
ご質問テーマにより、私だけでは十分なご案内ができない場合は、詳しい専門家の方や信頼できる業者さんをご紹介させていただきます

また、お金に関する悩みはご家族や友達にも相談しにくいですね。
もちろん、プライバシーポリシーを作り、守秘義務がある前提でお話を伺っておりますので、安心してご相談いただけます。
中にはご家族関係や家計の問題が根深く、その場ですぐ解決法をご案内できないケースも多々あります。
しかし、「聞いてもらっただけでも少し落ち着いた」とおっしゃっていただくケースも良くあるものです。
まずは、しっかりお話しを聞いてもらえるFPに、気軽に相談をしてみてください。

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